【専門分野】IT・工学など

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ウィリアム・G カリフォルニア大学で物理学とITの博士号を、フランスのグルノーブル・ビジネススクールでMBA を取得。米仏両国で研究所の科学者・エンジニアとして働いた後、2002年からフリーランスの校正者として活躍。これまでに20稿を超える自著の論文がジャーナルに掲載され、さらに、学術会議では100以上のセミナーをこなした学術研究発表のベテラン。論文中の研究内容だけでなく、研究者の気持ちも理解できる校正者。

論文中の研究内容だけでなく、研究者の気持ちも理解できる校正者。

コンピュータ科学やITの世界で、近い将来注目すべきことは何でしょうか?

次に越えるべきハードルは、光学と電子工学の合体でしょうね。うまくいけば、データ転送レートが今までに例を見ないほどのレベルに達することになるし、ネットワーキングの規模の拡大も可能です。共働作用があるでしょうし。

物理学とITの博士号とMBAを取得されていますが、共動作用がありますか?それとも、それぞれ別ものですか?

物理学はITを実践可能にしたハードウェアの開発に関与していますから、物理学とその根本的な限界を理解することで、ITの限界についての理解も深まります。テクノロジーマネージメント関連のMBAを取得しましたが、これは、基礎的な科学と商業的に実行可能な応用テクノロジーの境界線を越えるのに役立ちます。この種のMBAは、物理学の知識と組み合わせると、テクノロジーの視点からだけでなく、ビジネスの視点からもテクノロジーを見ることを可能にしますから。

ウィキペディアやそのコンピュータ科学のポータルなどはお好きですか?どのようなサイトをよく利用されますか?

ウィキペディアは基礎的な知識源として便利だと思いますが、詳細情報は昔ながらの方法で検索するのが確実ですね。

英語のネイティブでない人の原稿を扱う際、難しいことはありますか?特に注意すべきことは?

言語と文化は個人の思考に大きな影響を与えると実感しました。なので校正の際、外国語の知識は著者が主張しようとしていることを把握するのに役立ちます。例えば、フランス語が母国語の人は、メインポイントを主張する前に説明事項をたくさん挿入しますが、英語が母国語の人は、メインポイントを主張した後で詳細説明をします。こういうことを事前に知っておけば、行間をきちんと読みながら著者の主張を正しく校正できます。

注意点は主に、文章の明確さですね。誤解や困惑を招くと困るので、校正済みの原稿は技術的なことが明確に表現されるよう気を使っています。あとは、原稿の読みやすさにも注意して校正しています。読者が繰り返し読まなくても内容を理解できるように。

専門性が非常に高い場合、どのように校正されますか?

意味がはっきりと分かるよう、いくつかの部分に分けると校正しやすいです。分けた部分をさらに細分化することもあります。目次や序章の内容をしっかりと把握するのも、高度な専門性の対処法の一つです。

校正者が高学歴であることの重要性は?

物理化学など、専門性の高い分野では、誤解を防ぐために、専門分野全体をしっかりと理解していることが大変重要です。物理学、物質科学、光学などの分野では、その分野内だけで使用される専門用語が多数ありますから、素人が校正するのは無理です。

原稿の専門科目のエキスパートである校正者の起用の重要性は?

必須ではありませんが、そのような校正者を起用するのが理想的と言えますね。でも、自然科学や物質科学の論文などは、その分野に精通している校正者の起用が重要です。たとえば、物性物理学の研究をした経験のある校正者は、地質学、天体物理学、工学などに関する論文をしっかりと校正できるはずです。でも、物理学者は、生物学や化学の論文に適した校正者にはなれません。

インパクトファクターの高いジャーナルの論文に共通するものは?

そのような論文は、重要性の高い研ぎ澄まされた研究の1つの問いに的を絞っていて、その問いに導く重要な情報が書かれています。根本的な理解とか、重要な理解がすでになされているトピックを掘り下げたりはしません。

初めて学術論文を執筆する日本人研究者にアドバイスはありますか?

表現を明確にするよう努力してください。それと、読者を感心させる目的で複雑なフレーズを使うのは避けてください。

本人の希望により、本名を伏せ、エディターネームを使っています。