エリック・G アメリカ出身。ジャーナリズムの学士号、英語・金融ジャーナリズム・経済学の修士号を取得。民間企業数社の広報部に勤務のあと、アメリカ上院財政委員会と同国財務省で広報部長を務めた。さらに、個人投資に関する書籍9冊を出版。キャリアの第一線を退いたが、これまでの執筆経験と30年の校正経験を活かし、エナゴで活躍中。
民間企業と政府関係の仕事をし、大学で経済学を教えた私にしては、風変わりな答えかもしれませんが、一般の人たちは、まあ、この場合の「一般」は学識のある人たちのことですが、自分が信じたいことを裏付けるために経済学を利用しているのではないかと懸念を抱いています。つまり、ケインズ、マネタリスト、サプライサイド、どれであろうと、彼らに影響を及ぼしているとされる概念は、彼らが信用したい概念というわけです。経済学を、自分の偏見を立証するための道具として使うべきではありません。
企業でライティングや校正を担当しているビジネス論文校正者への影響は明らかです。景気後退に伴う費用削減の結果、人数が減っていますね。
報道機関にお世話になっています。ウォールストリート・ジャーナルやフィナンシャル・タイムズなどを読んでいます。それと、仕事中は無理ですけれど、ブルームバーグやCNBCといったテレビの金融チャンネルも見ています。経済や投資関係の有料サイトも利用しています。エナゴの仕事も勉強になっていますよ。毎月多種多様なテーマの原稿が送られてきますから。
経済学は不発弾のようなものですから、次のトレンドなんて予測不可能ですよ。個人的には、経済学者が意思決定における倫理と判断のつながりに、もっと目を向けてくれればと思っています。もちろん先行きの不透明な状況下での意思決定がテーマの議論は多数行われてきましたけれど、現状を考えると、金融機関自身が下した決定はどのように下されたのか検証されていないようです。これから頻繁に取り上げられる研究テーマは、消費税問題でしょうね。貧困の経済学に関する議論が活発になってほしいです。マイクロレンディングに興味がありまから、これについてもっと読みたいですね。
ウィキペディアはお気に入りです!それと、ビジネスや金融のサイトをいくつもブックマークして、よく参考にしています。
経済・金融分野は一般化ではなく、細分化や専門家が進んでいます。私自身は、アメリカ上院と財務省で数年働いて、広範囲の経験を積むことができたので、運が良かったです。税、通商、投資といった複雑なものを扱っていましたから。数学の利用が著しいですが、経済学の計算の知識があってよかったです。
良い面も悪い面もあります。個人的に、企業のライティングスタイルは好きではありません。決まり文句、一般化、それと概算が多すぎます。企業のライティングを反面教師として活用できますけれど。
エナゴからの原稿は、どれも簡単には片付けられません。筆者の主張は複雑で難解なものが多いし、新天地開拓を目標にした原稿ですから。比較的長い原稿は、特に難しいです。一文一文に重みがあるだけでなく、構成がより複雑になっていのが理由です。特に、主張が繰り返されている原稿は、忙しい編集者に厄介者扱いされてしまうので、受理は無理でしょうね。原稿が長くなると回りくどい議論になりがちですが、直線的な議論の構成を心がけるべきです。
校正の際、2つの「1ルール」に従っています。1番目のルールは、「各文から1語削除、各段落から1文を削除、各章から1段落を削除」。削除すべき箇所がなくなるまでこの作業を繰り返します。2番目のルールは、「1文に含まれる主要なアイデアは1つだけにすること」。
経済学論文のテーマに精通している人に校正してほしいと思うのは当然ですよね。でも、筆者に必要なのは、原稿内の議論は論理的か、分かりやすいか、また、説得力があるかどうかチェックできる校正者です。なので、原稿のテーマについて奥深い知識と理解があればいい訳ではありません。
9冊の本を執筆しましたし、経済学論文や記事は数え切れないほど書きましたが、もう今は半分定年退職者のような生活です。なので、今は自分が本当に書きたいことだけを書ける特権があるとでも言えばいいでしょうかね。エナゴを利用されるような方ならお分かりだと思いますが、執筆はそう簡単にできるものではありません。ライティングや校正は、ビーチボールを鼻の上で回転させるような、ちょっとした「才能」ではありませんからね。収入やキャリアアップのために書くことはもうしなくていい身分になりましたが、今までの執筆活動のお陰で筆者と心が通じていると思います。
ネイティブであろうとなかろうと、アドバイスは同じです。存在感のある強い動詞を使い、語句はシンプルなものを選んでください。
著名なジャーナルは、筆者が何を発見したのか正確に伝えられる、曇りのない表現を期待しています。それと、そのようなジャーナルは、論文が学術界の中で将来どのような位置を占めることになるのかも考えます。つまり、すばらしい論文に共通することは、「明確さ」と「貢献度」です。
本人の希望により、本名を伏せ、エディターネームを使っています。