研究者が剽窃を深刻に受けとめるべき理由

インターネットの時代には、剽窃の問題は以前ほど大きな問題ではないと考えられているかもしれません。結局のところ、名前の知られていないウェブサイトや記事のあちこちから数行を盗んだとしても、誰かほんとうに把握できるのでしょうか? 入手可能な情報が数多あるなか、何が剽窃かを誰が言えるのでしょうか? じっさい、剽窃、アカデミックな場であれちがう場であれ、重大な結果を招く行為です。また、インターネットの普及は剽窃を簡単に可能にしたように見える一方で、剽窃の発見をしやすくするオンラインツールも数多く生み出されています。この記事では、剽窃がもたらす影響と、執筆や研究において剽窃を確実に回避する方法について見ていきます。

 

剽窃がアカデミアの学生に与える影響
大抵のひとはアカデミックな環境にいる学生のときに初めて剽窃という語に出くわすでしょう。多くの教育現場では、子どもにさえ他人の作品をまねるな、と教えます。このルールは、学生が実社会で執筆や仕事をするために勉強、準備する高等教育でも変わりません。大学に進学するころには剽窃問題はかなり厳格に扱われ、剽窃が発覚した学生は罰せられます。高等教育機関に入学すると通常は倫理規定を遵守するよう求められ、剽窃を回避するという取り決めもこの倫理規定の一部です。

剽窃には、直接剽窃、自己剽窃、モザイク剽窃など、さまざまな形態があります。他人の著作物から一部分を故意にコピーしても、うっかり出典を忘れても、剽窃がわかれば必ず代償を支払うことになります。多くの学生は、アイデアをうまく言い換えたり、正しい引用を使ったりする適切なスキルがないため、誤って剽窃を行ないます。意図的かアクシデントかにかかわらず、通常、剽窃は学術的な不正行為と同様に知的盗窃と見做されます。たとえ自己剽窃であっても、学術的な不正である点に変わりはありません。

剽窃は学生にどのような結果をもたらすのでしょうか? それは犯した剽窃の程度によって異なります。論文内で引用した文献を参考文献リストに追加するのを忘れた場合、低い評価になるかもしれません。あるアイディアを明確に言い換えて適切に引用しなかった場合、落第になるか、課程コースからの退学を余儀なくされるかもしれません。そして、文章の一節を丸ごとコピーしたり自分のものではない論文を投稿したりすると、学術機関から停学や退学処分を言い渡される可能性があります。つまり、剽窃の結果は、高等教育の学生としてのキャリアが終わることを意味するのです。

剽窃がもたらす専門家への影響
剽窃は学生へ非常に深刻な結果を招きますが、専門家にとってますます深刻であるのはご想像の通りです。剽窃が発覚した研究者は、その大体が新たなキャリアを探さなければならない羽目になります。終身在職権のある教授でさえ、資格を取り消される可能性が高いのです。なぜなら、プロの学者はキャリアの向上のため、あるいは大学との契約の一環として、継続的に論文を発表しなければならないからです。しかし、一度プロの研究者として剽窃が発覚すれば、出版社はその研究を受け入れようとはしなくなります。というのも、剽窃した論文を出版したことがわかった場合、出版社自体の評判も危うくなるからです。たった1本の論文でも剽窃が発覚すれば、過去に出版された論文も出版社によってすべて撤回される可能性が高まります。出版できない研究者になってしまうとどこも資金援助をしてくれなくなり、そのキャリアは基本的に終わりとなるでしょう。

アカデミア以外でも専門家が剽窃を行なえば、非常に厳しい結果が待っています。フィクションあるいはノンフィクションの作家、ジャーナリストなど、そのほか執筆を仕事にする人物が剽窃を犯したとわかった場合、研究者のケースと同じ困難に直面します——つまり、誰も出版してくれないのです。剽窃がわかった専門家は、現職を辞任するよう求められるかもしれませんし、今後仕事を得ることもむずかしくなるでしょう。さらに、専門家の剽窃は法的・金銭的な罰則を受ける可能性があります。出版社は、出版した論文が剽窃だと判明した際には著者に対し損害賠償を請求することができます。また、剽窃された原著者は、損害賠償請求、あるいは盗用された原著が出版されている場合には、著作権侵害で訴えることもできます。

剽窃はキャリアに及ぼす影響に加え、出版や学術界全体にもマイナスの影響を及ぼします。学術ジャーナルの編集委員会は、剽窃問題の増加は学術研究界にかんする知識不足を意味すると指摘しています。独創的な研究を行なえるはずの有能な研究者が、貴重な時間と資質を浪費して、他人の労作をコピーしたり、出版用に作り直したりしているのです。剽窃の回避は、ただキャリアにとって望ましいわけではありません。剽窃の回避は、世界にとって望ましいものとなるのです!

どうすれば剽窃を防げるか
では、どうすれば剽窃を避けることができるのでしょうか? 剽窃を回避するときの最も重要な方法のひとつとして、そもそもなぜ剽窃問題が発生するのかを理解することが挙げられます。剽窃のもたらす結果は非常に深刻であるのに剽窃を働く人間がいるのは驚きに感じます。しかし、多くの人は剽窃を犯すのは、課題を完了する時間や締め切りに間に合わせる時間が足りなくなるからです。ですから、剽窃を避けるためのひとつの方策は、仕事を早めに始めることです! また、文章を書いたり調べたりするスキルが不足しているがために剽窃を働いてしまう人間もいます。このため、ノートの取り方、言い換え、参考文献の管理は、文章を書きたい人にとって必須の学術的スキルとなるのです。

最後に、剽窃を確実に防ぐためには、現在オンラインで簡単に利用できる剽窃チェックツールを活用することです。剽窃の多くは偶然によるものなので、論文を学校や出版に出す前に、エナゴが提供するようなオンライン剽窃チェッカーにかけることで、剽窃を回避することが可能です。教師、出版社、学術ジャーナルもすべてオンラインの剽窃チェッカーを利用しています。したがって、剽窃そして起きうるバッドエンドを避けるためにも、ぜひチェッカーを使うようにしてください!